15″ MAGNAVOX P232 フィールドコイルの修理

Magnavoxの15インチ励磁型ウーファーをペアで手に入れました。コーンやエッジに補修跡は一切なく非常に状態の良いユニットと思いましたが、残念ながら1本はフィールドコイルが断線していました。
今回の記事はフィールドコイル断線修理についてです。

入手したユニットはMagnavox P232 15インチです。バスケットのフレームは4本のタイプです。少しだけ蝶ダンパーを期待していましたが通常のギャザードタイプでした。フレームにはいくつものスタンプが押されており、識別できるものを列記すると 10526, 5200OHMS, 143, 31426?, 232 739, 1D2880となっています。このタイプのフィールドコイルは5200Ω規格ですが実測で良品は5.30kΩ, 不良品は11.92MΩとなっており、コイルの引き出し線近くを触ると抵抗値が変動しました。コイル部分を解体して修理する必要があります。

フィールドマグネット部分を順次ばらしてみました。
最初に外すのは黒色のヨークの部分です。ダンパー横に4箇所6角ボルトの頭が見えていますのでこれを外します。その前に念のためヨークの取り付け位置とユニットに対する取り付け方向を けがいておきます。

ヨークの部分を外すとポールピース部も一緒についた状態で外れます。この時、コイルは本体側に残っていますがすでにフリーな状態になっているのでこれも外します。

コイルを外してしまうと本体側には、フィールドコイルの位置決めとヴォイスコイルの位置出しのためのプレートが出てきます。これを外すとヴォィスコイルが露出します。

ここまでバラしたところでフィールドコイルの断線修理に入ります。見た目は傷一つない美しいユニットでしたが修理のためにフィールドコイルを覆っている絶縁紙を切開します。

断線箇所をチェックしたところ最内周側の引き出し部にて断線が見つかりました。このコイルは何千ターンもまかれていますので数ターンほどいたところでコイルとしての特性に変化はないはずですのでまきほぐしにより断線部手前までの銅線を必要分だけ外に出して外部から来たコイル配線とはんだ付けします。
(断線部は上の写真では中央上部に当たります。黒のワニ口クリップは反対側の端部でこちらは断線の問題はありませんでした)抵抗値は5.32kΩとなりもう一台のユニットとほぼ同じになりました。

絶縁テープや厚紙をもとの状態に戻しながら最後に外周の絶縁紙をまいてコイル部分の修理は完成です。残念ながら修理完了後の外周絶縁紙は元の状態のようにきれいには収まらず少し痛々しい状態になってしまいました。
修理完了したコイルを逆の手順で組み上げます。

あとで気づきましたが、この組み上げ時にヴォイスコイルセンターとポールピースのセンターがずれておりヨークの取り付けボルトを緩めてセンターの出し直し作業が必要でした。
このユニットの調整音出しについては、後日UP予定のフィールド電源供給装置製作編にて記載します。

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