スピーカー・ユニットの自作③

全体図です。
各部の説明です。
①フィールド・コイルのエナメル線
②ヨーク・フロントメインプレート
③センター・ポール(ポール・ピース)
④ベークライト・ダンパー(2枚)
⑤ヨーク・サイドプレート
⑥ヨーク・リアプレート
⑦ボイスコイル
⑧ボイスコイル・ボビン
⑨ヨーク・フロントサブプレート
⑩コーン紙
フィールドコイル部分の設計
センターポール(ポール・ピース)の直径はφ28で決定しています。フィールドコイル用のボビンの芯は内径φ28以上で適当なものがないか探してみました。すると塩ビパイプの規格で呼び径30というものが適当とわかりました。内径はφ31, 外径はφ38です。これにエナメル線を巻き付けることにします。塩ビ管の両端にはベークライト製のエンドプレートを設置することとします。
エナメル線については絶縁種類と販売単位、価格等を考慮して設計しました。エナメル線の販売サイトを検索すると1kg単位で販売されているものの種類がたくさんあります。基本的に1kgの銅線で作製することとしますが、線径によって抵抗率と重量1kgあたりの長さが変わってきます。以前修理したMagnavoxの15インチユニットのフィールドコイル抵抗値は5,200Ωでした。このフィールドコイルの供給電源を製作した際、電流値Maxが60~70mAオーダーとなり、5極管での出力にちょうどいいことがわかっています。今回、初めてのユニット製作でうまくいくかどうかも分かりませんから、まずはこの電源装置の出力可変範囲内でコントロールできるようコイル設計しようと思います。考察の結果を先に書いてしまうとコイル線形はφ0.18のUEW線を使うことにしました。この線の規格は757.2Ω/kmで0.24km/kgとなっています。1kgは4,160mとなりますから全体抵抗は3,155Ωとなります。Magnavoxの5,200Ωに対しこのエナメル線を使用した場合の抵抗値は約6割となりますが今回は9インチユニットなので供給電力も少なくて済むとの読みからこの値でやってみようと思います。ちなみに70mAを流した場合、0.07*0.07*3,155=15.5Wが供給できます。
1kgのエナメル線を巻いた場合の巻線厚はいくらになるのかについて考察します。巻線幅はデザインの都合上64mmと仮置きします。コイルが太くなりすぎる場合は再考します。
ボビンの塩ビパイプの外形はφ38ですので、ここが巻はじめとなります。1kg巻き終わったところまでの巻厚を計算します。銅の比重は8.96ですから、1kgの銅の体積は1,000/8.96=111.6立方センチとなります。塩ビパイプと空洞部分の体積は(φ38/2)×(φ38/2)×3.14×64=72583(立方ミリ)となりますので72.6立方センチとなります。芯の部分と銅線の部分の体積を合計すると184.2立方センチとなります。芯の中心からの厚さを逆算すると3.03cmとなります。銅の部分の厚みは3.03-1.90=1.13cmとなり無理のない寸法に収まることがわかりましたので巻線幅は当初の計画通り64mmで進めます。
上記結果を基にしたボビンの設計図面を下に記載します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました