ALTEC 2.8インチ ドライバー (再考証)

以前掲載した私の所有するALTEC 2.8インチドライバーについて、しつこいようですが再考証したいと思います。
前回の記事で私の所有する型式ラベルのないドライバーの形式を288Dの可能性が高いと結論付けています。その結論に至った一番大きな要因は、製造コードにあります。私のドライバーの製造コードは391301で1963年製の288Bではなく、1973年製造と考えられることから1968年に生産開始した288Dであると推論しました。
288Cの特徴を紹介すると
前期型のガスケットはロープでできており、後期型はゴム製となっている。
前期型は引き出し線の端子形状が丸端子でネジ止め、後期型は差し込み式の平型端子。
基本ダイヤフラムにはマエストロのプリントなし。
インピーダンスは24Ω
この記事を掲載後ebayやYahooオークションなどで288Cの製造コードをチェックしてきました。
チェックの結果新たな疑問が出てきました。かなりたくさんの288Cで後期型の特徴をもった個体で製造コードから1970年代に製造されたものと思われるものが出品されていました。
STEREO SOUND発行のALTEC本では288Cは1966年発売、288Dが1968年発売と記載されていますがよく考えてみると1968年に288Cの生産を完了しているとは記載されていません。24Ωの288Cと16Ωの288Dが1970年代まで併売されていた可能性は否定できません。また288Dを搭載したA5システムについても記述がありません。また288Cの発売開始年の1966年についても若干疑問が出てきました。私のチェックしたリストの中に1964年と思われる製造コードの縄ガスケットタイプを2台見つけました。そのうち一台は旧型の端子でマエストロのないダイヤフラムを搭載しています。もう一台は旧端子ですがなぜかシンビオテックダイヤフラムになっていました。また純正ダイヤフラムの中に直流抵抗値を計測していた例も数件見られ、その値は約11Ω程度となっており、私のドライバーのダイヤフラム直流抵抗値11.3Ωはインピーダンス24Ωタイプの範疇と言えます。
これらの情報から総合的に考えると私のドライバーはマエストロプリント以外は後期型の288Cと一致し288Cの可能性を否定できなくなりました。(マエストロプリントの288Cはまだ見つけていません)

もっとたくさんの個体の情報を収集し、型式問題にいつかは結論を出したいと思います。
現段階での仮結論は希望を込めて1973年製の後期型の288Cということにしておきます。ダイヤフラムは288系ではあるが16Ωか24Ωかの結論はつけられません。

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