トーンアーム3Dモデリング

製作中のレコードプレーヤーに搭載する予定のアームを設計します。
アームのディメンジョンは手持ちのSME 3012Rを基準としてオリジナルのコンセプトを織り込んでいます。
設計はAUTODESKの123D Designというソフトを用いて3Dで行い、その成果物を3Dプリンタで出力するアイデアです。3Dプリンタ出力サービスは現在多くの会社から提供されており、私はDMM.comのサービスを利用することとしました。
SME 3012RはロングタイプJ字型パイプ、スタティックバランス、ナイフエッジ軸受けといった特徴があります。設計にはこの3012Rをベースとしていくつかの変更点を加えました。
まずはアーム形状を単純なJ字型から変形J字型に変更です。一般のアームはトラッキングエラーを少なくするためS字型やJ字型として針先に水平方向のオフセット角をつけています。本設計はトラッキングエラーに対してはSME 3012Rと同寸のJ字型としていますが、上下方向にパイプをS字に曲げる形状となっています。これはアーム上下運動の回転中心であるナイフエッジ部とスタイラス先端部の高さをそろえることにより針先からの力がナイフエッジ軸受け部を上下方向に動かさないことを目的としています。結果として軸受け側に対してヘッドシェル側のアーム高さは14mm高くなっています。
パイプ径はφ9.5mmでSME 3012Rと同じです。ナイフエッジ寸法はオリジナル設計です。ナイフエッジカバー部の考え方はSMEと同じ、ただしデザインは独自のものです。ナイフエッジカバーからインサイドフォースキャンセラーを釣るためのステーも出しています。
針圧機構はダイナミックバランスとしました。ナイフエッジのカバー前面に押しタイプのスプリングを装着し、アームパイプを上からバネで押して針圧をかけます。
今までできたところのモデルのレタリングを掲載します。

(赤色の部分は押しバネです)
今の3Dプリンタは非常に優れていてチタン等一部の金属は直接3Dプリンタからの出力で造形できます。ロストワックス製法を用いれば適用可能な金属の種類が広がります(ステンレス、真鍮等)。パイプはチタン、ナイフエッジカバーは今のところ真鍮、ナイフエッジはステンレスを選択しようと考えています。
上記の材料の組み合わせでパイプ、上下のナイフエッジカバー、ナイフエッジ本体の4点を製作する場合のコストは3から4万円となっています。デザインや材質の変更でもう少しコストが下げられないか検討中です。

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