前回までの仮組状態で、左右の音が間違いなく出ることは確認できましたが、ハムノイズが発生したことから、内部配線の交換と、ノイズ対策を行いました。アームの内部配線はオヤイデの2重絹巻19/0.1という銀線に交換しました。最初に行うのはシェルを受けるアダプター裏の配線の交換です。この部分は接点がシェルに押されたとき後退するようにバネが仕込まれていますが、今回の配線交換で熱をかけすぎたためバネ機能が失われてしまいました。幸いアダプターを3個持っていたため、2番目を取り出し、今度は慎重に熱引き用のクリップも使用してはんだ作業を行いました。2回目は問題発生しませんでした。L/Rの各HOT/COLDをそれぞれツイストペアにし、Lペア、Rペアと線状に成形した真綿を三つ編みにした上で余った真綿で配線全体をくるんでパイプ内を通しました。何でもアーム内配線をくるんだ真綿(綿状の絹)には、吸音効果と電磁波吸収効果があるそうです。また、モーターのフレーム、アームベース、アームパイプ本体の3か所をアースに落とせるようにして、シールドケーブル部分のアース線がグランド・ループを作らないように気を付けて出力端子と共通アースをとったところハムノイズはほぼ聞き取れないレベルにまで低減できました。


オヤイデ2重絹巻銀線と真綿で巻いた内部配線


購入した御真綿袋とちぎった後のシート状の真綿
前回の記事に記したアーム側の高さが高すぎる問題は、プラッターと駆動モーターの取り付け位置を上げる方向で対処することにしました。
また、回転数の調整を低周波発振器で行うアイデアですが、微調はいいかもしれませんが大きく周波数をずらした場合には(周波数を下げる方向で)回転がしゃくってしまい、使い物にならないことが判明しましたので、モーター側のプーリー径を33 1/3と45r.p.m.の2速仕様に変更することにしました。今度のプーリーは真鍮ロストワックスの3Dプリントにします。またいろいろな人の記事を読んでいますと進相コンデンサーの種類や容量の選択にも深いものがあるとのことですので、やはりいたずらに駆動周波数の変更で能動的にモーター回転数を変更することはやめることにしました。
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