頭の体操(LCRイコライザの考察) 3

前回は橋本トランス推奨回路、LCR値における出力特性の偏差を確認しました。
再度その特性を示すと以下のようになります。

低域の+側うねりと高域の落ち込み(0.1dBですが)が少し気になります。
RIAA特性を得る為のL1,L2の理論値が1.72H, 45mHになっているのに対し、橋本トランスのL値はそれぞれ1.9H, 45mHとなっておりL1のみが大きめの値となっています。橋本トランスは低域を持ち上げる方向に特性をコントロールしたかったのかもしれませんし、組み合わせる抵抗やキャパシタの容量がE24系列等に制約を受けることを考慮して、組み合わせのしやすい設定値を用いたのかもしれません。
今回は、橋本トランスのコイル値と内部抵抗値を使いつつ、偏差が最小となるC,Rの設定値をカットアンドトライで探してみました。
結果下表の右の条件設定でかなり素直な特性を得ることができました。

カットアンドトライのためもっといい設定値の組み合わせはきっとあることと思います。
得られた特性は下記のとおりです。

50-60Hzのあたりに-0.2dB未満の落ち込みがありますが1kHz以上の高域に見られた-0.1dBの落ち込みは解消しています。

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