自作フィールドコイル フルレンジ・ユニットの顛末

5月連休があけてしばらくたちますが、連休中にAudioにて若干の進展があったため記しておこうと思います。以前自作した2種類のField Coilタイプ9インチ径のフルレンジ・ユニット(通称1号機と2号機)について磁気回路の弱い1号機について以前の記事で平面ユニット化(発泡スチロールの円錐をコーン紙に置き換えて振動版に改造)について記述しています。
その時点では、2号機のフレーム追加・FIXEDエッジ化と並行して作業を行っていたため、2号機優先の結果1号機の完成度低く、作動時にビビリ音が発生するため1号機は問題を抱えたまま放置の状態になっていました。暇だったこともあり、この連休にてユニットを取り外してビビリ音解消のための調整(ボイスコイルタッチ解消)を行ったところ、この平面ユニットも異音なく動作できるようになりました。以前の記事にも書いていますが、2種類のユニットが完調であれば、
①どちらのユニットを正面に向けて設置するか
②背面側のユニットについて
 a) ボイスコイルに出力電流を流すか否か(2台のボイスコイルを直列につなぐか、正面側のみつなぐか)
 b) フィールドコイルに電力を供給するか否か
 c) 背面側のユニットの極性を正面側に対して正相で動作させるか逆相で動作させるか
の組み合わせの数だけ出音の状況が変わってくることになります。

A5型のメイン装置上の手作りField Coil Speaker (正面は2号機)

2号機には着脱可能なセンターキャップ+ダブルコーンのおまけがつけられるようになっています。

今回調整により機能回復した1号機ユニット
ユニット下のスイッチと音声配線の接続変更で、上記の①②a,b,cの組み合わせが変えられる。
連休中に全部ではありませんが、いくつかの組み合わせで試してみたところ2つのユニットを両方鳴らすほうがスケール感が出るようです。正相逆相については短時間の比較では結論を出すことは難しいようです。ただ、いずれにしてもいえることは過去の評価はおいといて、低域のエネルギー感に欠けているという評価になりました。プリアンプのトーンコントロールユニットを挿入して、変化を確認しようとTRYしてみましたが、以前の記事に書いたようにトーン回路挿入によるゲインロスの影響が大きすぎて音量が出せず失敗してしまいました。(使わない高域側の回路を直列につなぐ試みは行いましたが、プリの出力トランス部をバイパスさせてHi-impで受けゲイン低下を防ぐ回路は撤去済みとなっているためそれを復活させるまでの改造はしませんでした。トーン回路自体は、低域、高域を増強・減衰どちらも行えるようにするため挿入損失が20dB程度発生することを避けられません。そこで思いついたのが最近記事にしたRIAAほかのLCRイコライザ―です。インピーダンス600Ωの回路に、LCRで構成したブリッジ回路を挿入すれば最小限の利得ロスで低域を持ち上げることができるはずです。このアイデアに基づいて低音域をブーストするフィルタを設計・製作することにしました。次回の記事でこのフィルタの設計・製作記事を掲載する予定です。

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