600Ω定インピーダンス型LCRイコライザユニットの設計・製作③

AESにはLOW LIMITはない!?
以前に掲載したイコライザ回路の低域側においてターンオーバー周波数とLOW LIMIT周波数の比をKと置いて回路の解析をしています。RIAAの場合、ターンオーバー周波数500HzとLOW LIMIT周波数50Hzの比率は10倍、即ちK=10ということになります。この周波数が10倍になる区間のフィルタスロープは6dB/octで一定となることからK=10の時LOW LIMITでの相対利得はターンオーバーに対して+20dBとなりFFRR, Old RCA, Columbia・・・といった回路の解析と同時にAESについてもLOW LIMITを30Hzとして計算をおこないました。今回実際のイコライザユニットを設計・製作するにあたりもう一度AESのイコライザ特性を調べていたところAESにはLOW LIMITの設定はないという記事を見つけました。それを今回の設計に反映するとなると、ターンーバー側のL,Cの値が非現実的となってしまうため実現可能な周波数にLOW LIMITを設定すべくシミュレーションしたところ、LOW LIMITを元々の設計の30Hzから20Hzに下げたところまで何とか実現できる目処が付きました。この場合、L=4.43H, C=12.54μFとなります。AESについてはLOW LIMITの30-20Hzの切り替えをセレクタスイッチでAESを選んだ後に別途挿入することにしました。次回の記事にて各カーブに対するLCRそれぞれの設計値とその場合の特性カーブシミュレーションについて掲載する予定です。

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