定インピーダンス型アッテネータ製作編

定インピーダンス型アッテネータ製作編です。
前回ブリッジT型アッテネータの入出力インピーダンスと減衰量の計算を紹介しました。
この計算結果を元に実際のアッテネータの製作にかかるに当たり抵抗の種類を選定しなければなりません。
巷ではDALEの無誘導型巻き線抵抗NS-2Bの評判が高いようです。
製作に当たった2006年当時、このNS-2Bタイプは入手が困難で必要とする抵抗値をすべて揃えることができる保証がありませんでした。
そこでネット等をいろいろ検索した結果、アメリカのMills Resistor社の非磁性体無誘導巻き線抵抗でオーディオグレード(MRA)と呼ばれているものを見つけました。
このオーディオグレードには5W型と12W型の2種類があり、 5W型についてはそのサイズがほぼNS-2Bと同じくらいということがわかりましたので、この抵抗を採用することにしました。しかしながら巻き線抵抗の例に漏れず高い抵抗値はラインナップされていません。5Wタイプは最大27kオームまで,12Wタイプでも91kオームまでです。
設計したアッテネータには最大10Mオームの抵抗が必要となりますが、91kオーム以上の抵抗値を使用するポジションは34ステップのうち低音量側の7ステップとなりますので
ここには手持ちのリケンのRMAとRMGを使用することにしました。
また27kオーム超91kオームまでは4ステップでここは高価でサイズも扱いにくいですがMRAの12Wタイプを使用することにしました。したがって当初計画どおりのMRAの5Wを使用したのは12-33ステップの部分になりました。前回の記事でE24系列の話をしていますが、自分が最終的に採用した抵抗値はこのMills-MRAの抵抗値ラインナップによりました。若干ですがE24系列よりも設定値が多いようです。
Mills Resistorについて、いまでは日本の販売代理店があるようですが、当時海外に在住していたこともありアメリカのSonic Craft社から通信販売で入手しました。
また、使い勝手の都合でアッテネータは左右独立としたかったため、Seidenの
ロータリースイッチは2段、2回路、34ステップタイプ(10度刻み)、切替時ショート
タイプの56SG(56006)2SETに最終決定しました。
使用した抵抗の数が1-33ステップ×2+620オーム抵抗2本=片chなので、
2ch総数で134本の抵抗をアッテネータに組み付けるには数日を要しました。
出来上がりは少し不恰好なものになってしまいましたが、音質的には満足しています。
実際の結線について下に図面を添付します。

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