スピーカー・ユニットの自作⑭ 磁気回路の検証 その2

2014/6/24追記
磁気回路の再検証記事をアップしましたので以前の検証記事の計算部分には訂正線を引いておきます。
以下本文

前回の検証で抜けていた点があります。磁気飽和についてです。

使用したSS400材の飽和磁束密度を2.30(T)と記載しましたがそれを使った検証がまるっきり抜けています。また、調べてみるとSS400の飽和磁束密度は2.3(T)よりかなり小さいという情報を見つけました。

使用した材料はセンターポールもヨーク枠も同じSS400です。センターポール部分の断面積は0.000615752㎡でヨーク枠の断面積は0.0099㎡となり、センターポール部分の方が面積が小さいため、こちらが飽和してしまった時点で磁束は空気中に漏えいすることになると思います。

まずは前回設定した飽和磁束密度の値2.3(T)で計算してみます。

センターポールが磁気飽和を起こす時の磁束はセンターポールの断面積×飽和磁束密度ですから飽和時の磁束=0.000615752㎡×2.3(T)=0.00141623(Wb)と計算できます。

この磁束のすべてがギャップ部分でヨーク側に放射されたと仮定します。ヴォイスコイル径φ30.0の位置の円周長は30.0/1000×π=0.09424778となります。ギャップ部分の厚みは15mmで設計していますので、ヴォイスコイル位置の磁束通過面積は0.09424778×0.015=0.001413717㎡となります。

この部分の磁束密度を計算すると0.00141623(Wb)/0.001413717㎡=1.001783(T)となります。即ち10,017Gaussの磁束密度になるまではコイルの起磁力をあげればギャップ部の磁束密度を上げることができると計算できます。これでめでたしめでたしと行きたいところですが、飽和磁束密度の2.3(T)はゴトーやYL音響で使われている超高価な磁気素材であるパーメンジュールなら達成できそうですがSS400では1.8(T)位が関の山で一番大きい情報で2.1(T)小さいものでは1.5(T)というものもありました。

試しに1.8(T)で計算してみると

ギャップ部分の磁束密度は10,017Gauss×1.8/2.3=7,840Gaussとなってしまいました。

私のユニットは実際にはこのあたりの値で動作しているのかと思います。


またセンターポール部分はただの円柱形状でギャップ部分に対して垂直に磁束を放射するための”ツバ”がついていませんので空気中への漏えいも多々あるのではないかと推察されます。
もう1回設計しなおして作るならば、飽和磁束密度にて制限がかかるギャップの磁束密度と、センターポールの”ツバ”の部分を考慮したいと思います。
明日3/12(水)にこのユニット用の箱になる予定の材料が到着する予定ですので次回は箱の製作および結果のリポートをしたいと思います。

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